| セルロイドカンファレンス 2008大阪 |
松尾 和彦 |
| 二○○八年セルロイドカンファレンス報告 |
去る二○○八年十一月十四日大阪科学技術センター四○五号室に於いて、本年もセルロイド産業界、骨董品、卓球、ゴルフクラブのネック、万年筆等の関係者約六十名の出席のもと恒例となりましたセルロイドカンファレンスが開催されました。 直前に、何時もツッコミ役を務められる甲斐会長の突然の負傷というアクシデントに見舞われましたが、そこは各講師の頑張りによりカバーすることが出来ました。 岩井代表理事の開会の挨拶、小野喜啓氏の発声による物故者への黙祷に続いて始まった第一部では今年白寿、すなわち九十九歳となるキューピーを取り上げました。 最初に登壇した北川講師は想い出博物館の館長でもあり、キューピー博士とまで呼ばれる第一人者でもあるだけに、キューピー生みの親であるローズ・オニールとキューピーがいかに愛される存在であり続けたかを、自ら制作したオリジナルビデオで紹介しながら熱っぽく語りました。 ローズ・オニールの故郷アメリカのポニーブルック、キューピー製造の中心地ドイツのオアドルフなどを紹介するビデオは見ごたえのあるものでした。 続いた松尾講師は、「キューピーさんとセルロイド」との題名でローズ・オニールの精神を語るとともにセルロイドがいかにキューピーに最適な素材であったかを「キューピー・ピーちゃん」、「わたしのキューピーちゃん」などの歌とともに紹介しました。 また「青い目の人形」の歌は昭和の初めの人形使節よりも前に作られたものだと、当時の日米関係などの国際情勢を絡めて説明しました。これは人によっては意外な事実であったらしく、閉会後の懇親会で質問を受けることとなりました。 十五分間のコーヒーブレークの後に再開された第二部では、岩井代表理事が講師として登場し「新しい知見が世界を広げる−ミュージアムコラボレーションへの夢」として、自らの構想を語るとともに、それぞれのミュージアム館長の方々を次々に紹介しました。 紹介された方はカッターナイフのオルファの創業者にしておまけ学会の岡田氏、大相撲中継でおなじみの漢方薬三光丸本舗の浅見氏、道具学会の浜中氏、企業ミュージアムの亀田氏でした。 各館長の方々は、それぞれの思い入れをメインテーマのセルロイドと絡ませる形で語ってくれ、これには岩井代表理事も感激していた様子でした。 セルロイドハウス横浜館を紹介する第三部では副館長の野木村講師が登場し、各部屋の収蔵品とセルロイドハウスつまりは岩井館長のセルロイドにかける精神とを紹介していきました。 続いて「セルロイドに形を与えて百年」として、金型製作、その金型を使用しての製品製作について語りました。 第四部の三木講師のテーマは「セルロイドに触れる」。そのテーマ通りにセルロイド、塩化ビニール、アセチロイドを持って登場して出席者に回しました。どれがセルロイドかをあてさせたのですが正解者は一名のみ。セルロイドの専門家達が集まっての会合としては意外な結果となりました。 三木講師は現場を踏んでいる人なので常に実演を重視します。今回もセルロイド貼りの箱を女性に作らせました。また自身の手作りの筆箱を持ってセルロイドと塩化ビニールとでは、同じ筆箱を作るとしても十五日と二時間の違いがあるなどを紹介しました。 講演の後に開かれました懇親会では万年筆、ゴルフクラブネック、ピンポン球、人形、セルロイド会館などの関係者が次々に紹介され、その度に拍手が起きる和やかなものとなりました。 来年は第一回のセルロイドカンファレンスが開催されてから満十年。まさに総決算の年です。二○○九年十一月九日(金)に東京六本木国際文化会館で開催されますカンファレンスにぜひともご出席いただきたいものです。 |
| 著者の松尾 和彦氏は歴史作家で近世、現代史を専門とし岡山市に在住する。 |
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